飽くなき探求心 鳥刺しからブライダルまで/二幸食鳥

二幸食鳥 ブライダル
石材を自社で組み上げた石造りの多目的ホール。結婚式場としても使われている=鹿児島市平川町

二幸食鳥(鹿児島市)

浜田勝社長(83)が1965年、手伝っていた精肉店から独立したのが始まり。69年、鹿児島市で食鳥処理・加工事業を本格化させ、現在県内各地で加工工場を操業する。

南薩や霧島市溝辺など県内一部の郷土食だった「鳥刺し」を試行錯誤の末、スーパーに納入するなど量販化に成功し、南九州を代表する食文化の一つに育てた。「鶏食の第一人者」との周囲の評にも、「ものづくりに真摯(しんし)に取り組んだだけ」と控えめだ。

肉用鶏として育てられるブロイラーではなく、採卵農家から仕入れる「親鳥」が加工の中心。在庫管理や処理工程で難しい面もあるが「卵を産み終わった鶏の行き場に悩む農家を支えたい」との信念がある。

関連会社の「平成フーズ」(南九州市)は、ペットのおやつ製造に取り組む。国内大手とOEM(相手先ブランドによる生産)契約を結び、全国で販売される。研究熱心な浜田社長は毎朝、自ら試作を確認する。

県外客に人気の観光施設「かごしま旅の駅 魔猿(まさる)城」(鹿児島市七ツ島1丁目)も運営。企業間取引が主の同社で、自社製品の直販のほか、さつま揚げやかるかんの製造工程見学を受け入れるなど、消費者向け取引の一翼を担う。

ユニークなのがブライダル事業だ。「シーサイド平川MASARU」(同市平川町)では、500トンに及ぶ石材を自社で組み上げた多目的ホールが披露宴会場になる。
「食品企業がなぜ」との問いに、浜田社長は「石造り技術を詰め込んだホールは、ものづくりに対する未来へのメッセージ。職人仕事に境界はない」と語った。

(南日本新聞2020年8月9日付掲載)
二幸食鳥
資本金3000万円。1969年創業。従業員250人。本社以外に同市福山町、谷山港1丁目、日置市日吉などに拠点。年商73億円(2019年12月期)。
住所:鹿児島市錦江町11-56[MAP

このシリーズについて

かごしま会社探訪
きらりと光る鹿児島県内の中小企業を訪問し、あまり知られていない素顔を探ります。 ※2020年8月9日まで、日曜日付南日本新聞の経済面に掲載していました。

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